投資する時に考えること

投資の考え方

会社員兼業投資家が投資をする時に考える手順を書き出してみる。

目標の金額と期限を決める

まず、当初の資産額(元本)に対し将来の目標額を決める。次に年何%の利回りで何年かけて目標に達するか期限を決める。

目標増加率=利回り×期間である。(厳密には、元利込の年利(i)^運用期間(n)=n年後の資産(i^n))利回りが小さいと長い期間が必要で、利回りが大きいと、運用年数は短い。

利回りとリスクは表裏一体である。高利回りを狙うなら高いリスクを取り、リスクを低くするには低利回りの商品を選ぶ。

期限を決めると取るべきリスクが定まり、商品分野が絞られる。例えば債券なら年3%で堅実に運用できるが、5倍にするまで55年かかる。

筆者はブログTOPのとおり10年で5倍にしたい。そのためには複利で17.5%増やす必要がある。

元本込みの年間利回り(i)^運用年数(n)n年後の資産(i^n)
103%54.5年5.01倍
117.5%10.0年5.01倍

平均で17.5%にするためには、個別株レバレッジファンドなどリスクを取って、個別取引で数十%の上昇を目指す必要がある。予想が外れる前提で損失の管理も必要である。

また、筆者は余裕資金の範囲で投資を行うので、元本以上を失う可能性のある信用取引、FX、先物は避ける。選択肢がそれしかないなら期限を延ばす

生活時間を元にスタイルを決める

時間の制約がなければ、数分単位で利幅を取るスキャルピング、日に何度も売買するデイトレード、数日単位のスイング取引、数ヶ月から数年単位で保有する中長期投資のいずれも可能だ。

筆者は平日勤務の会社員であり、取引時間中にリアルタイムで売買するのは難しい。最短でも日足を見てのスイングトレードか、中長期での保有となる。

また時間の制約以外に、スキャルピングには熟練と反射神経が必要だと感じる。筆者は何度か試したが自分には向いていないと感じた。

アセット・アロケーションを決める

資産には円貨、株式、外貨、債券、貴金属、不動産など色々分野がある。利益を上げやすい分野は経済状況により変わる。

自分なりの市場の見通しに基づき、どの商品分野に資金を置くかアセット・アロケーションを決める。筆者は、今のところ、米利上げと日本の財政を踏まえ以下の通り予想している。

短期(2023年1〜3月)中期(2023年4〜12月)長期(2024年1月〜)
米政策金利4.5%5%利下げ開始
米ドルドル高横ばいドル安も底堅い
米国債安値安値高値
米国株下落下落大幅下落後上昇
日本の政策金利上限に到達上げられない上げられない
日本円円高円高大幅下落(ハイパーインフレ)の可能性
日本株下落下落上昇
印尼・比の政策金利5.5%5.5%不明
印尼・比国株下落下落長期的成長により上昇

上記に基づいて、当面のアセット・アロケーションは以下を目指す。

市場2023年1〜3月2023年4〜12月2024年1月〜
長期資産米ドルMMF 45%
米国債   5%
新興国株 20%
米ドルMMF 45%
米国債  5%
新興国株 20%
米ドルMMF 25%
米国債  5%
新興国株 20%
中期資産高配当日本株 15%
成長米株  5%
日本円  0%
高配当日本株 15%
成長米株 15% 
日本円 0%
高配当日本株 15%
高配当米国株 30%
日本円 0%
短期資産米指数レバ・ベア 5%米指数ブル・ベア 5%
2023年1月設定

不動産、暗号資産、貴金属、商品先物、FX、オプションは知識不足により対象としない。

なお、上記はあくまで仮説である。現状を確認しながら都度見直しが必要だ。

銘柄を選ぶ

個別株は以下の基準で選ぶ。

(1)特長を示すキーワードに着目

世界トップシェア、参入障壁、独自技術、高機能、次世代など、その会社の強みを一言で語れる場合、長期保有できる可能性が高い。

日々のニュースから強みがあるとピンと来たら業績・株価指数を確認する。逆に業績・株価指標をスクリーニングし基準を満たした銘柄を知らない時はウェブサイトから独自の強みが何かを読み取る。

(2)業績・株価指標を確認

各種の指標を用いて収益性、成長性、安定性・健全性、割安性を測る。

項目観点内容
収益性 世界に通じる強みがあり利益を上げている、その利益を株主に還元している営業利益率10%以上、ROE10%以上、海外売上高30%以上、配当利回り3%以上を基本的なスクリーニング項目とする
+業界トップシェア製品、著名ブランドなど独自の参入障壁
成長性増収傾向にあり、成長への投資と株主への還元もバランスが取れている過去10年増収傾向、配当性向50%未満
安定性中長期保有を想定、短期業績悪化に耐えられる財務自己資本比率が業界平均以上、ネットDEレシオが業界平均以下
割安性人気が加熱していないこと、理由のない不人気はチャンスPBR1.0倍、PER10倍以下、配当利回り5.0以上は割安株として検討余地、ただしSNSでバズっている瞬間は様子見
2022年12月修正

それぞれの指標について筆者なりに重視する順に表にした。

特に1〜7は割安銘柄のスクリーニングに良く用いる。8位〜10位は将来の成長性を確認するもの、11位以下は同業比較や一部の企業の財務内容を知るためのものである。

指標観点  内容基準   
0時価総額規模株式市場からの総合評価、他の指標を見る際に意識しておく
1営業利益率収益性営業利益÷売上10%以上
2配当利回り収益性 年間配当額÷株価3%以上
3売上収益性利益と成長の源泉首位・増収
4海外売上比率収益性海外売上高÷全世界売上30%以上
5自己資本比率安定性株主資本÷総資産30%以上
6PBR割安性Price Book-value Ratio(株価純資産倍率)=株価÷一株純資産(B PS)、株価が解散価値の何倍か示す、1以下なら割安と言える1倍以下
7PER割安性Price Earnings Ratio(株価収益率)=株価÷一株当期純利益(EPS)、好業績なのに低いと市場から過小評価されている可能性10倍以下
8ROE効率性Return on Equity(自己資本利益率)= 当期純利益÷株主資本 = PBR(株価/一株純資産)÷PER(株価/一株当期純利益)10%以上
9ROA効率性Return on Asset(総資産利益率)=当期純利益÷総資産5%以上
10配当性向成長性配当÷株主に帰属する当期純利益、株主への還元と成長への投資のバランスを示す50%以下
11PSR割安性Price to Sales Ratio(株価売上高倍率)=株価時価総額÷年間売上高 売上を使って株を買い戻すのに必要な年数、同業比較の目安1倍以下
12EPS収益性Earnings Per Share(一株当期純利益)= 当期純利益÷発行済株式数、 配当の元、PER算出の分母、収益性の直観的理解のため多い方が良い
13営業キャッシュフロー収益性本業できちんと収益があること、スタートアップ等で事業が順調か確認する最低限プラス
14EBITDA収益性Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization 税・償却費除くので単年の事業利益、経営指標に掲げる企業あり最低限プラス
15ネットDEレシオ安定性NET Debt/Equity Ratio (有利子負債-現預金)÷株主資本、経営指標に掲げる企業あり最大1

筆者がここ数ヶ月で取引した企業の例をあげる。日本製鉄は営業利益が12.5%配当利回り7%以上だがPBR 0.57、PER3.07と割安である。

PKSHA Technologyは順調に成長中だがPERは72.1と株価は割高である。このように数字で企業の状況知ることができる。

日本製鉄(5401)キヤノン(7751)PKSHATEC(3993)ANA HD(9202)
株価(9/30)    ¥2,006.5¥3,172¥1,882¥2,718
0. 時価総額1,906,8204,230,69658,5371,316,310
1. 営業利益率12.35%8.02%8.17%-16.97%
2. 予想配当利回り7.2%3.74%0%0%
3. 売上6,808,8903,513,1578,7271,020,324
4. 海外売上比率40%76%28%
5. 自己資本比率41.3%60.8%80.6%24.8%
6. PBR0.571.042.051.60
7. PER3.0712.3172.136.53
8. ROE20.5%7.9%0.5%-15.9%
9. ROA7.3%4.5%0.4%-4.5%
10. 配当性向方針あり
(30%目安)
方針なし
(実質48%)
なしなし
11. PSR0.280.966.591.27
12. EPS¥692.16¥205.35¥4.84-¥305.37
株価指標は9/30時点、営業利益率・売上は前期、自己資本比率は1Q、時価総額・売上は百万円単位

売買のタイミングを決める

銘柄を選んだら以下1〜2の通りチャートを確認しながら購入タイミングを決める。

買うときは値上がりか横ばいを予想している。予想に反して下がった時に自動で損切りする。ただし現実には必ず上下動するので値下がりも許容する。

過去の安値や移動平均から支持線となりうる金額を予想、そこを割れば一段安となりそうな価格を売却ラインに設定する。3〜4のとおり購入時点で、売却ライン価格で逆指値の成り行き売りを発注する。

チャート確認の手順
120年チャートの高値・安値と日足・週足・月足チャートでトレンド確認
2日次チャートで上昇トレンドか底値のボックス圏で高配当が期待できれば購入。
3購入時に売却する金額をあらかじめ決める
4その金額で確実に売却するよう逆指値で成行売りを発注
5売却予定金額より上でも三尊など明確な売却サインに気づいた時は売却
6安定配当を前提に購入したのに減配など根拠が崩れた場合も売却
2022年9月設定

そして、5〜6の場合も売却する。逆に売る理由ができるまでは、そのまま保有し続ける。

手順の中で最も重要なのは3と4だ。あらかじめ逆指値を入れてあれば、その後は例え手動でも驚くほど躊躇いなく損切りできる。逆指値によって無意識に心の準備ができるようだ。

なお、2022年9月以降、逆指値による自動売却を実践した結果12銘柄中10銘柄が実際に売却となった。2銘柄のみ損切りは成功といえる。

6銘柄は自動売却後、大幅に値上がりしたので損切りは時期尚早だった。反省点は売却ラインが浅過ぎたことだ。1年単位で保有したいなら、直近ではなく1年単位での安値を考慮とすべきと学んだ。

銘柄購入根拠と平均購入価逆指値の根拠と金額売却評価(12/10時点)
ANA HD
(9202)
22/1月インバウンド期待で平均2,414円当初2,540円、上昇トレンドと見て2,667円まで引き上げ10/3益出し2,666円現2,903.5円なので早過ぎ
H20リテ
(8242)
22/1月インバウンド期待で平均813円9月初初75日平均980円、後に1,060円まで引き上げ10/3益出し1,058円現1,190円なので早過ぎ
力の源HD
(3561)
22/1月インバウンド期待で平均580円当初664円、上昇トレンドと見て755円まで引き上げ9/28益出し754円現954円なので早過ぎ
レノバ
(9519)
22/3月長期的には割安と見て平均1,637円ポリンジャーバンドを出たので3,500円で設定9/20益出し3,554円現2,613円なので成功
カルビー
(2229)
22/6月長期的には割安と見て平均2,589円当初2,674円、上昇に伴い2,999円に引き上げ10/3益出し2,997円現3,020円なのでどちらともいえる
ナブテスコ(6268)22/8月精密減速機世界トップに惹かれ平均3,075円7/27安値の2,972円9/26損切り2,971円現3,470円なので早過ぎ
PKSHATEC(3993)22/8月増益と将来性に期待し平均2,275円9/21安値の1,791円10/3損切り1,792円現1,770円なのでどちらともいえる
キヤノン
(7751)
22/9月配当3.5%上昇トレンドと見て平均3,302円直近安値
3,228円
10/11損切り3,223円現3,112円なので成功
ヤマハ発
(7272)
22/9月高配当4.0%、ボックス圏と見て平均2,857円当初2,690円、地合悪化と見て2,786円まで引き上げ9/26損切り2,786円現3,315円なので早過ぎ
商船三井(9104)22/9月配当300円をもらうため平均3,105円直近安値から300円を減じた2,588円で設定9/30損切り2,587円現3,265円なので早過ぎ
日本製鉄
(5401)
高配当6.56%でボックス圏平均2,147円2021年12月安値を割る1,690円保有中
東ソー
(4042)
好業績高配当4.7%一時下落中と見て平均1,530円2020年3月の直近最安値1,012円保有中

まとめ

投資を始めるとき、証券口座に入金した後に必要な意思決定を自分なりに書き出してみた。

目標額はいくらで、いつまでに、どのくらいの取引時間をかけて、どの商品分野で増やすのか、どのように銘柄を選び、どんなタイミングで売買すべきか、改善の余地はたくさんありそうだ。

都度アップデートしたい。また、実際の運用成績は別の記事にて毎月更新中である。

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