安直な購入による個別株投資の失敗(cyberdyne、Medilines、カーニバル)

検討中・反省中

これまでの取引を振り返り今後の参考にしたい。なお、いずれの企業も社会的に意義を持つ会社だ。あくまで自分なりに十分考えて売買できなかったことの反省である。

大相場後のベンチャーCyberdyne(7779)

1. 惹かれた点:装着型サイボーグHALの販売とレンタル

CYBERDYNE社は2004年創業の筑波大学発のロボットベンチャーだ。装着型サイボーグ”HAL”の販売とレンタルを主要事業としている。

HALは神経からの電気信号を拾って筋肉の代わりに動くロボットスーツで主な用途は医療用だ。装着して足腰の動きを繰り返して脳に刺激を与え、脳卒中や脊椎損傷で失われた生来の動きの回復を助ける。

パワーアシストスーツとしても下肢等の機能補助の他、介護施設や倉庫など重量物を扱う作業用ニーズに応える。他に清掃ロボットや医療機関向け生体センサー開発や創薬など医療・介護系ベンチャー企業へのベンチャーキャピタル事業も行う。

2. 株価推移と取引履歴

2014年の上場当初は世界初の技術を持つベンチャーとして多額の資金を集め、2016年には過去最高値の2,629円をつけた。その後1,000円台で推移、2018年1月に2,000円まで回復。

2018年8月に急落し1,000円を割った後、緩やかな下落が続いた。2020年8月の400円台から11月に800円台まで一時回復したが再び下落に転じている。

個人的な取引履歴は以下の通り。

時期取引理由
2019 〜2021何度かに分け下落のたびに購入、平均価格は480円YoutubeでHALの身体機能回復支援に意義を感じた。アジア・欧米展開に将来性。大和ハウスが大株主で安心感。ターミネーター劇中の会社と同名で先進的なイメージ。ピーク時株価・公開時より低価格。赤字だが増収中、黒字化で大幅値上がりもありうる。
〜2022/8様子見で保有2022/5に上場来安値297円に至ったが下落余地は少ないと考え保有継続。2022/8の1Q決算で赤字継続も前年同期比増収増益で457円まで上昇。海外売上増が寄与。その後9/1に374円まで下落。
2022/9二回に分け350円と308円で損切りチャートの見方を勉強し始め、下降トレンド入りと判断。過去2年間の保有は結果的に”塩漬け”となっていたことを認め売却、損失を計上した。

3. 反省点:雰囲気で大相場後の銘柄を購入

2018年度から2021年度まで、売上は17億円、18億円、19億円、21億円と伸びてきたが、結果的に、売上と利益の伸びが市場の期待を下回った。また、ベンチャーキャピタルとしての投資内容に十分な情報がないことも株価下落に繋がったと思われる。

過去の高値と話題性から短絡的に割安と思い込んだのは失敗だった。

ただ、サイボーグを用いた難病の治療には独自性があり将来性は感じられる。負債は少なく現金が豊富なので赤字への耐久性も高い。営業黒字に転換すれば株価上昇の可能性はありそう。

良く調べずにIPOだから購入したMedilines (MEDIC)

Medilines Distributors Inc.はSiemensのMRIなど大型医療機器の輸入販売業だ。フィリピンの富豪で著名政治家でもあるManny Villar氏の弟Virgilio Villar氏が創立者である。

2021年12月にフィリピン証券取引所にIPOで上場した。公募価格は2.30ペソ。筆者も応募し一部購入できた。ただし上場当日に一気に1.6ペソ台まで下落、その後も下落を続けた。

そもそも、事業内容も、財務内容も、IPOの目的も良く理解せず応募した。下落の理由も不明なのでいずれ回復するだろうと楽観的に保有し続けた。

2022年6月に当初の3分の1を割りこんだ。このままだとゼロになるのではと怖くなり0.57ペソで売却した。自分から塩漬け株を売却した偉大な一歩であった。

なお、2023年1月時点で株価は0.7ペソまで回復。

”インバウンド”だと安直に購入したカーニバル(CCL)

カーニバルは米国のクルーズ船旅行会社だ。

コロナ前は売上200億ドル、営業利益30億ドルを超え、株価も40〜60ドルで推移していたが、コロナ禍で2021年度の売上は10分の1まで落ち込んだ。

2022年に入り、欧米では外出制限はなくなった。コロナ収束とともに大幅なリバウンドを期待して、2022年3月に17.2ドルで購入した。ところ値下がりが続き、6月末には8ドルまで下がった。

7月に入り少しずつ回復、9ドル台の後半まで上昇した。回復の可能性も考えて損切りも躊躇ったが9月に決意を新たにし銘柄選択の基準とともにチャートに基づく損切りのルールを明確にした。

改めて財務状況を確認すると、有利子負債が70%を超え営業赤字が続いている。利上げが続くことで財務の安定性に不安を感じ、9.45ドルで売却した。

結果的に2022年度の売上は120億ドルまで回復し、株価も2023年1月時点で10ドルを超えている。次回購入の場合は業績と財務内容の回復を確認してからにしたい。

まとめ

cyberdyneは大相場再来を夢想して安直に購入、Medilineは富豪一族がIPOするからと安直に購入、カーニバルはインバウンドだからと安直に購入し、いずれも数十%の損失を計上した。

各企業とも社会貢献している著名企業だ。正しいタイミングで売買すれば利益を出せたはずである。各取引に共通する反省点が二つある。

自分なりに調べて納得する前に、都合良い情報だけをもとに安直に取引したのが1つ目、そして、値下がりする中で、根拠なく上昇を願って塩漬けにしていたのが二つ目の反省点だ。

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