精密減速機世界首位のナブテスコ(6268)

日本株

ナブテスコの事業

ナブテスコは、精密減速機世界トップシェアのメーカーです。

減速機は速度の速いモーターの回転を受けて、速度を落としながらより強い動力エネルギーに変える部品です。自動ドアや産業用ロボットの動力部分に用いられます。現代社会では欠かせない技術です。

また重機の駆動部分に使われる油圧部品にも強みがあります。最終製品としてのロボットや重機は中国製のシェアが上がっていますが、実はその内部に使われる部品として依然トップシェアを取っています。

会社名は以前から聞いたことがありましたが、直接興味を惹かれたのはAlluxという義肢の製品を知ったためでした。滑らかで躍動的な動きから部品の精密さと高度な制御技術があることを感じられます。

取引の経緯

東レ(3402)売却、ナブテスコ購入(2022/7/28)

先週7/28にしばらく持ち続けていた大手化学メーカー東レ株の大半を売却しました。

東レは航空機向け炭素繊維やポリエステルフィルムなど世界シェアトップの製品をもつ日本を代表するメーカーです。特にこれから航空機需要の回復が売上に波及すると期待していました。売上、利益とも成長の可能性が感じられ、財務も自己資本比率は46%、DEレシオも1を切っており財務も健全です。

一方で、数年前のグループ会社での品質不正問題が頭に残っていたところへ、今年になって二回も樹脂製品の品質不正問題が報じられました。文字通り二度あることは三度あるでした。どのように品質管理がなされていて、不正問題にどう対応しているか社外からは分かりません。ハインリッヒの法則に照らして、新たな品質問題が明るみに出るリスクがあると感じました。保有のリスクを考えて平均購入価格まで価格が戻った741円で一部を残して売却した次第です。

売却資金をもとに7/28に3,070円でナブテスコ株を購入しました。

上記の通り事業内容や業績を調べて購入した次第です。実のところ、これまで株式購入の決定根拠は主に評判に基づく値ごろ感とフィーリングでした。15年やってきて恥ずかしい限りですが。いくら長期投資が許されているとはいえ、より収益につながるような決定をしたいと思い始めたところです。

具体的な指標ごとに基準を設けてそれを満たす株の中から購入したいと思います。株式投資を始めた頃に本を読んだけれどもおろそかにしていたファンダメンタル投資に戻るということでしょうか。

第一歩として、今回ナブテスコ株購入を決めるにあたり、決定根拠を自分なりに言語化してみました。以下の通りとなります。

  1. 世界的にトップシェアの製品を持つ
  2. 海外売上比率が4割を超えている
  3. 技術を活かした目を惹く取り組みがある(Allux)
  4. 過去5年営業黒字
  5. 過去5年配当あり、配当利回り2%以上
  6. 自己資本比率40%以上
  7. DEレシオ1以下
  8. PER20倍以下
  9. PBR2以下
  10. PSRが2倍以下
  11. 信用倍率が5倍以下

言葉でまとめると、真似されない強みがあることが(1-3)、収益が安定していて財務が健全であること(4-7)、そして株価が割高ではないこと(8-11)です。

これだけの項目を挙げることができたのは、ナブテスコ株が、事業内容、将来性、収益性、安定性、割安性の全てでバランスが取れていることを意味していると思います。文句なしに買おうと決めました。

7/29の2Q決算では、日本に次ぐ中国市場の売り上げ減少に起因する年間見通し下方修正がありました。ただ、減少分は北米や欧州の売り上げ増でカバーされています。他地域での成長も期待して当面はあまり心配せずホールドします。

上記の条件に当てはまらなくなった時が売り時だと思いますが、単一の指標だけで決めるのは難しいです。いくつかの指標が複合的に動くのをみて判断することになると思います。

今思いつくこととしては、やはり8−11の割安性の指標が大幅に動いた時は恐らく値段が上がり過ぎなので、一旦売却を考えると思います。

実際に各指標を随時確認しながら重点化していく必要があるのでしょう。当初決めた基準を無視するなどの矛盾も出てくるでしょうが、それはそれでいいと思っています。毎回修正しながら、より収益性の高い意思決定を目指します。

なお、今回ナブテスコの売却を検討しながら仮に設定した指標で探すと、世界トップ製品を持つB to Bのメーカーが他にも見つかりそうです。

そういったメーカーが競争力のある技術を最大限活用し、工業製品を世界中にどんどん輸出して頂くことが、日本経済のために最も必要なことだと思っています。私も株式投資をするにあたっては、そういう企業を選びたいと思いを新たにしました。

様子見:1Q決算後(2022/8/26)

その後の株価を追いました。東レは803.7円まで値上がりしており、手放すのが早すぎたと言えます。現時点では残念ながら失敗です。

ナブテスコは3,380円まで値上がりしており、こちらは現時点では成功といえます。

二銘柄を合計すると辛うじて含み益になっていますので結果としてはあまり間違っていませんでした。東レを残したまま、ナブテスコを追加購入しておけばなお良かったです。

売却:損切りラインを下回ったため損切り(2022/9/26)

日経平均が一時600円値下がりする地合いの中、あらかじめ損切りラインとして設定していた2022年7月の安値2,972円を下回りました。逆指値注文により2,971円で損切りの売却となりました。

損切りラインを購入価格より下に設定するというのも考えものです。買った直後から上昇し、あらかじめ設定した益出しラインを下回ったら売却する方が望ましいという感想です。

まとめ

いくつか指標を見て選択し購入しました。確かにその後値上がりしましたが、長期保有に耐えられず損切りとなりました。買うタイミングは悪くなかったのですが、もう少し早く益出しをすべきでした。事業としては魅力がありますので、再度エントリーも検討します。

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